三浦通信 生垣のいろいろ・沖縄県の生垣 (2007/06/18号)
日本列島は南北に細長く、亜寒帯の植物から亜熱帯の植物が生育する二つの植物帯を持ち、多種多様な植物に恵まれています。
季節ごとに四季の変化が見られる地域と、四季の変化がほとんど見られず一年中緑におおわれている地域では、生育する植物の違いからおのずと生垣に使用する樹種も異なります。
北では針葉樹が主流で、南下するにしたがって針葉樹、落葉樹、常緑樹と多種に恵まれ、南ではほぼ常緑樹一色の生垣が作られています。
今回は、普段室内の観葉植物の鉢物でしか見られない植物の生垣を紹介します。
ヒビスクス(ハイビスカス) アオイ科
南国の代表的な樹種で、花が大きくカラフルでほぼ一年中咲く一日花です。
ベンジャミナ(ベンジャミン) クワ科
東京では、室内の観葉植物の代表的な樹種です。
若苗は柔軟で曲げに強く、この生垣では幹を編みこんでいるのがわかります。幹どうしは3週間ほどで癒着します。
シェフレラ・アルボリコラ“ホンコン”(カポックの名で呼ばれている) ウコギ科
東京では以前から、室内の観葉植物として人気の樹種ですが、いまではヒートアイランド現象の影響で23区内でも露地で生育しているを見かけます。
マイソルヤハズカズラ キツネノマゴ科
(別名)ツンベルギア・ミソレンシス
昭和50年代にインドから渡来した、珍しい樹種です。
シマヤマヒハツ トウダイグサ科
今回紹介したものの他にも沖縄には、コダチャハズカズラ(キツネノマゴ科)、リュウキュウコクタン(カキノキ科)、ホソバアカリファ(ムラサキ科)、本州でも群落が見られるナギ(マキ科)、オウゴンガジュマル(クワ科)など、関東では聞きなれない、見たこともないと言うような植物の生垣があります。
(2007/06/18号 三浦 敢司 著)